〜大きな桜の木の下で〜



・・・それは、とおいとおい思い出の中・・・
 

「ぱぁーるぅ、ぱぁーるぅ。ルーミィおなかぺこぺこだおう!」
「ごめんね、ルーミィ。もうちょっと我慢してね。」
ぶぅっ。
ぱぁーる、あんでちょこ、くえあいんだお?
ルーミィ、おなかぺこぺこなのい・・・。
あしゃ、みんあとおれかけしてかあ、ずぅ〜っとたべてないんら。
もお、おなかのなきゃが、きゃらっぽらお。
「ルーミィしゃん、もうすぐお昼ごはんデシ。がんばるデシ!」
「ほんと!?しおちゃん。」
「はいデシ!」
「わぁ〜いわぁ〜い!」
「ちびすけは、ごはんしか頭ん中ね〜よな。」
「とりゃー、ルーミィちびすけらないおー!!」
「へーへー。」
とりゃーはルーミィのこと『ちびすけ』っておぶんら。
らから、大きくあったら、ルーミィ、とりゃーのこと『ちびすけ』おぶんら。
「あ、ルーミィ。ほら、あそこを見てごらん。」
くりえーが、おきゃの上をさしたんらけど。
ルーミィにはあ〜んいもみえあい。
・・・やっぱりルーミィ、ちいさいおかあ?
「ルーミィ、かたぐるま。」
しょぼんとしたら、のりゅが、ルーミィをかたにのしぇてくえたんら。

そしたあ、みえたお。
おっきいおっきい、ぴんくの木。
「ぱぁーるぅ!ぴんく、ぴんくの木らお!!」
「あれは、桜よ。」
「さきゅら?」
「そう。桜。」
「ルーミィ、もっとちかくれみたいお!」
「わたしたちは、そのためにここへ来たのですよ。」
きっとんが、いったお。
ルーミィ、そえをきいて、とぉ〜っても楽しみになったお。

「おおき〜い!!」
ルーミィ、とぉってもびっくいしたお。
さきゅら、とぉ〜ってもおおきいんら。
「どれくらい大きいか、私たちで桜の木囲んでみよっか。」
「かこみゅ!ルーミィ、みんあとかきょむ!!」
ルーミィ、一番にさきゅらにひっついたお。
「ぱぁーる、とりゃー、くりえー、きっとん、のりゅ、しおちゃん!はあくはあくぅ!」
みんあ、かおをみあわして、にっこりわらったお。

みんあで、い〜っぱいうれをのばして、さきゅらの木かきょんらお。
れも、とどかなかったんら。
いっぱい、いっぱい。
おおきかったんら。
さきゅら、とりゃーよりおおきいかあ、とりゃー、『ちびすけ』なんら。
「ぱぁーるぅ、ぱぁーるぅ。」
「なぁに、ルーミィ?」
「あおね、あおね・・・。」



   みんな、みんな『ちびすけ』なんだ。
   だってだって、桜って大きいから。
   だってだって、自然って大きいから。
   だってだって、世界って大きいから。


「?」
「ルーミィ、おなかぺこぺこらおう!」
「そうね!ここでお昼ご飯にしよう!」
「うん!」


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―――― ルーミィ、ずっとずっと覚えているよ。 ――――


ファイル作成日:2001年4月15日

(C)深沢美潮/迎夏生/角川書店/メディアワークス

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