〜クレイの幸せな一日〜
『ピピピピピ』
みすず旅館の時計の音が耳に入り、オレは目がさめた。
大きく背伸びをして、時計を見る。
「5:55」
5が3つ並んでいた。
なんだか今日は、いいことがありそうだ。
オレは、顔を洗い、着がえる。
いつもより早起きをしたなぁ。散歩でもしてみようか。
オレはそう思い、コートをはおる。
冬にしては暖かい朝だ。
もうすぐ春が来るのかな。
そう思うだけでうきうきする。
春は好きだ。
「おや?」
オレはしばらく歩いていて、ある小道に気づいた。
今まで入ったことのない道。
行ってみようか・・・。
オレは、そう思い小道に入る。
しばらく歩いていると・・・。
―――――ぱぁぁぁぁぁ―――――――
日が昇ってきてオレの視界を0にする。
目を細める。
小道の出口が見えた。
そこには・・・
あふれんばかりのたんぽぽが、野原をうめつくしていた。
あさづゆできらきらしているたんぽぽ。
「きれいだ・・・・」
思わずつぶやいてしまった。
そうだ。ここをパステルたちに教えてあげよう。
きっと喜ぶだろうなぁ・・・。
オレは、そう思いたってすぐにみすず旅館へと走って戻った。
「うっわぁー。きれい・・・。」
パステルが、目を細めて野原をみている。
「くりえー、たんぽぽがい〜っぱいだお!!」
ルーミィ、今まで眠たそうな目だったのに。
大きな瞳をきらきらさせながら、野原をかけまわってる。
「よっくみつけたなー。」
トラップがルーミィをからかいながら言う。
「・・・・きれいだ・・・。」
ノルが小さな目を、きらきらさせてつぶやく。
「あさづゆで、ますます美しいですね。」
キットンがたんぽぽのあさづゆを触る。
「クレイしゃん、もう春が近いデシね。」
シロが、足元でにこにこしている。
「・・・・そうだな・・・」
「クレイ!!」
「なんだい?パステル?」
「こんなにきれいなたんぽぽの野原みれて幸せだね!!」
「うん。幸せだな。」
・・・うん。幸せだな。
皆の笑顔が見れて・・・・。
終
ファイル作成日:2001年2月12日
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