* 巣立ち *

夏の暑いある日のお話です
一匹のスバメが巣から飛び立ちました
そう、遠く遠くに飛び立つ季節がやってきたのです
一匹、また一匹と空へと旅立ちます
そんな中、一匹のスバメがなかなか飛び立とうとしません
怖いよう、怖いよう。
どうして、お兄さんやお姉さんはあんなに上手に飛び立つの?
このスバメは一番末っ子です。
どうやら、空へ飛ぶことが怖いようです。
すると、一匹のスバメが巣に戻ってきました。
どうしたんだい?
なぜ、空へ行かないんだい?
お兄さんスバメのようです
どうやら、弟の様子がきになっていたようです
だって、だって、お兄さん。
ぼくは、怖いんだ。
もし、落ちたらどうしよう。
もし、遠くへ行く途中に事故にあったらどうしよう。
いっぱい、いっぱい怖いことがあるじゃないか。
だったら、ぼくは、巣立ちなんてしたくないよ。
しょぼんとなった末っ子にお兄さんは空を指しました
なにを言っているんだ。
この空を自由に飛びまわることを考えてごらん。
すごく楽しいじゃないか。
新しい土地に、新しい出会いを考えてごらん。
わくわくするじゃないか。
そりゃあ、怖いことも多いかもしれない。
だけど、楽しいことも沢山あるんだ!
さぁ、一緒に旅に出よう!
ぴゅうっと夏の風が吹きました
末っ子のスバメはまだ悩んでいます
だけど、きっと旅立てるはずです
だって、旅立つ怖さも知ってるけれど
楽しさも教わったのですから
左リセット * 右リセット
(C)Nintendo/Creatures inc./GAME FREAK inc./Pokemon/TV Tokyo/ShoPro/JR Kikaku
出版社、原作者、団体等とは一切関係しておりません。
全ての情報・文章・画像の転載、再配布、再利用は禁止です。