〜いつかきっと〜


待っていてくださいデシ
どうかどうか待っていてくださいデシ

太陽きらめく青く大きな空を
夕焼けに染まった赤い空を
星がきらきら輝く夜空を

またみなしゃんを乗せて飛べる日が来るまで

待っていてくださいデシ
どうかどうか待っていてくださいデシ


ぼくはまだ幼くて小さくて
だからもっとレベルアップするためにもう少しだけ…


みなしゃんにとっては長い時間になるかもデシけれど
どうかどうか待っていてくださいデシ


いつかきっと
あの大空をまた一緒に冒険できる日まで



〜ねがい〜

まるでゆりかごを揺らすおかあしゃんのように優しく
まるで全てを飲み込むモンスターのように恐ろしく

一緒なのデシね
微笑んだり暴れたり色んな顔

海とぼく、一緒なのデシ



光でキラキラ眩しくて
闇で真っ暗でなにも見えなくて

一緒なのデシね
笑ったり怒ったり色んな顔


海とぼく、一緒なのデシ



海とぼく、生きているのデシ
海とぼく、生きているから、優しくてワガママで
海とぼく、生きているから、弱くて強くて

わかっているデシ
ぼく、海もワガママで暴れたい時もあるってわかっているデシ


でもね、でもね、海しゃん
ぼく、ワガママ言うデシ

どうかどうか

この船旅が無事に終わるまでは、優しいおかあしゃんでいてくださいデシ



〜あきれるほど〜

あきれるような冒険をたくさんしてきたデシ
あきれるような出会いをたくさんしてきたデシ
あきれるほどたくさんたくさんデシ


あまりに意外なことに驚いて、あっけにとられ、あぜんとして


だけど、不思議なのデシ
ぼくはこの感情が大好きなのデシ
あきれるほど大好きなのデシ



それはきっと、みなしゃんと一緒に冒険したから
それはきっと、みなしゃんと出会えたから
それはきっと、たくさんたくさんの思い出になって


これからもきっと、たくさんの冒険を
これからもきっと、たくさんの出会いが
これからもきっと、あきれるほどたくさんたくさん


不思議なのデシ
あきれるような未来をぼくはとてもとても楽しみにしているのデシよ



〜大切であり毒であり〜

良薬は口に苦いデシ
でも、病気をやっつける強い力があるデシ

つらい経験、苦い思い出デシ
でも、ぼくを強くする力あるデシ

苦いは大切デシ



良薬だから苦い薬いっぱい飲んだデシ
でも、今度は薬で病気になったデシ

つらい経験が強くするからといっぱい頑張ったデシ
でも、今度は体と心を痛めて弱くしてしまったデシ

良い事をいっぱいしたら悪い事になっちゃうことあるデシ
苦いは毒になることもあるのデシ




きっと、それは
苦いも甘いも辛いも
ぜんぶ ぜんぶ

全てのことが大切であり毒であるのデシね



だから、悩んで考えて答えを見つけるのデシね

そしてその答えはみなしゃんそれぞれ違うものになるのデシ
みなしゃんそれぞれ体も心も違うのデシから




〜いつの間にか〜

ぼくが目覚めて一番はじめに出会った人間がパステルおねーしゃん。 
パステルおねーしゃんのオネガイ、ぼく叶えたデシ。 

「一緒にきてくれる?」 

そのオネガイ、ぼく、叶えたデシ。 
それが、ホワイトドラゴンのシキタリだから当たり前だったデシ。 



だけど、いつの間にかオネガイを忘れていたデシ。 
いつの間にか、一緒に冒険する事はぼくのオネガイになっちゃってたデシ。 




もしぼくが目覚めて出会ったのが違う人間だったらどうなったデシ? 
それは全然わからないのデシ。 


分かっていることは、ぼくはとても幸運なのデシ。 
パステルおねーしゃんと出会えて、みなしゃんと出会えて幸運なのデシ。 
ぼく自身のオネガイが今叶っていてとても幸運なのデシ。 
もしこの幸運がホワイトドラゴンの血のおかげなら、ぼく、お礼をいうデシ。 
ホワイトドラゴンでありがとうってお礼をいうデシ。 




「シロちゃん、一緒に行こう!」 
「はいデシ!」 

いつの間にかオネガイじゃなくなった言葉にぼくは思わず笑顔になるのデシよ。 




〜水たまりが教えてくれたこと〜

あおく 晴れたる空
なないろ きれいな虹

悲しくて、辛くて、うつむいたぼくに、水たまりが教えてくれたデシ


お空が泣いてできたもの


君が泣かなかったら分からなかったデシね
君が泣かなかったら見れなかったデシね
君が泣かなかったらできなかったデシね


ぼくも泣いていいデシか?
ぼくも泣いたらなにか見つかるものがあるデシか?


水たまりが教えてくれたのはいつの間にか笑顔になったぼくの顔





ありがとう もう大丈夫デシね





(C)深沢美潮/迎夏生/角川書店/メディアワークス


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