さくら
知ってた?
桜が春に奇麗な花を咲かすために準備していること。
寒い冬の中、一生懸命頑張って準備していること。
木の幹もきれいなピンクをおびてるってこと。
だから春咲く桜はとっても奇麗なんだって。
だけど、木の幹はそれを隠しているんだよ。
「トラップ、まぁ〜た人のベットで寝てるぅ〜。」
「んんんん、もうちょっと…」
んもう!
そりゃさ、春は眠くなるよ。
でもさ、わざわざ人のベットで寝ることないじゃない!
本当は旅館のベットだけどね。
ルーミィとシロちゃんがトラップを枕にしてすやすや寝てる。
トラップを起こすと、この二人も起こすからやめとこ。
ふぅっと外を見ると少し早い桜が咲いていた。
まだ満開じゃないけど、奇麗。
つぼみがピンクがかっている。
「春だな。」
「ト、トラップ?起きちゃった?」
「ん〜?まぁな。」
彼は眠そうなあくびを一つした。
「こっちきなよ。桜とっても奇麗に見えるよ。」
「動けるように見えるか?」
意地悪そうな瞳。
あはは、そうだった。
ルーミィとシロちゃんが寝てるんだっけ。
「ふふ、優しいね。」
「…っぶぁぁぁか。」
「お花見、しようね?」
「いいな。ビールでもきゅきゅ〜っと飲みてぇな。」
「んもう。花よりビール?」
「そうゆうこと。」
「トラップらっしぃ〜。」
「ルーミィは花より団子だぜ?」
「そ、そうかなぁ?」
「そうだと思うぜぇ?」
なんて話してたらトントンと扉を叩く音。
「入っていい?」
クレイの声だ。
「どうぞ。」
「あ、パステル!桜、奇麗だよ!花見しよう!」
「クレイ!しぃぃ〜っ!」
「あ、ゴメン。」
クレイはルーミィ達をみて慌て口を塞いだ。
「んんうぅん?」
ルーミィはちょっと眉をひそめたけど、すぐにすやすや顔に戻った。
「ほっ。」
クレイは一安心して、ルーミィのほうへ向かった。
「ルーミィもさ、前行ったとき喜んでたしさ。」
「うん、そうだね、花見、行こうね。」
「今度の桜は近いからな。」
また意地悪そうな瞳。
たしかに。
窓から見ええる距離だもんね。
「でも、いいんじゃねぇか?」
トラップがシロちゃんの頭をなでながらつぶやいた。
めっずらしぃ。
それだけ桜が奇麗なんだろうか。
窓の下を見下ろすと、ノルとキットンが二人で桜見をしていた。
なんだか、家族みたいだね。
トラップに言ったら、「ぶぁぁか。」って返されるんだろうけどさ。
知ってるよ、本当は隠してるんだよね?
照れてるだけだよね?
にこにこしながらトラップを見るてると、トラップは怪訝そうな顔した。
「ぶぁぁぁか。」
って一言いって、また寝ちゃったけどね。
END
ファイル作成日:2002年10月22日
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