◎ 有限責任事業組合(LLP)とは?



平成17年8月1日、民法組合の特例としてのLLP制度が施行された




◆ 共同で事業を行う際の <現行制度上の一長一短>


 任意組合(民法上の組合)制度株式会社制度
特 徴 (@)貢献による利益配分可
 (A)構成員課税
 (B)無限責任
 (@)持株数に比例した配当・議決権
 (A)法人に課税され、出資者の配当
   にも課税
 (B)有限責任



● 現行の任意組合 (民法上の組合) 制度
 2人以上の者が出資(労務での出資も可)をして共同事業を営む事
 を約することによって成立する
 組合財産は全組合員の共有となり、組合は権利義務の主体となり得
 ない。 (組合と第3者との法律関係は、全組合員に帰属する)
 業務執行は組合員の過半数の賛成で決し、組合契約で組合員の1人
 又は数人に業務執行を委任できる
 組合員は、組合債務について無限責任を負う




◎ 民法上の組合の <特例> ⇒ 有限責任事業組合 (LLP) を創設
(民法上の組合 と 株式会社制度のいいところを採用)

法人格はないが、事業活動には支障がないと考えられる
(共同事業を行うのが目的で、出資だけの組合員は認められない)
(1) 出資者全員に有限責任制を付与

(2) 組合員間の合意で内部自治が可

(3) 貢献に応じた柔軟な損益の配分

(4) 構成員課税 (パススルー)の適用
狙 い
(目的)
  • 新規の創業の促進 (労務出資は認められない)
  • 産学連携や専門的な人材が集まっての共同事業の促進
  • 個人、法人ともに組合員になれ、法務局への登記が必要です
       (有限責任事業組合という名称の表示義務あり)

  • LLPの出資者が所得税や法人税の計算上、経費(損金)として計上できる
    金額は、出資額を限度



    ◆ LLP と 株式会社、任意組合の違い


  • LLPは、出資者は対等で 損益配分も自由に決められる

    (平成17年5月25日 日経新聞)
     L L P株式会社任意組合
     法人格なし
    (登記は必要)
    ありなし
     法人税なし (※)ありなし
     取締役会などの設置義務なし
    (組合員の合意)
    ありなし
     財務諸表の開示(債権者保護)ありありなし
     出資者の地位出資者全員が
    業務執行に参加
    株主
    (一株一票)
    業務執行の
    委任が可能
     出資者の責任有限有限無限

    (※) パス・スルー課税 (構成員課税)、利益は直接、構成員に帰属




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    創業や起業、共同事業を促進させるため、(1)構成員課税 (2)柔軟な損益の分配 (3)有限責任制という3つの特徴を兼ね備えた英国のLLP(有限責任事業組合 Limited Liability Partnership)に近い新たな事業体制度が導入・施行されました。一方、法人への変更はできません。



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