◎ 給与か? 外注か? の区分は?



実務でよく争点となる問題  給与になるのか? 外注になるのか?



☆ 主観 (気持ち・希望) や 形式でなく、客観的な事実関係で判定されます!!
−選択するのでなく、現状の役務提供の態様等で決まります−



◆ 給与になるのか? 外注になるのか?

(1)社会や、働く人の考え方等の変化により、労働の態様が変わってきました
(2)企業も、固定費の流動化を推進し、人件費の削減に力をいれてきています



労働(役務提供)に対し、企業が支払うものが

< 給与になるのか? > < 外注になるのか? > によって

税務上、『源泉所得税』 や 『消費税法上の取扱い』 が大きく変わってきます。


税務の取扱い企業が労働(役務)に対し、支払うもの
給与になる場合外注になる場合
税務上の扱い給与所得者
(年末調整で課税終了)
事業所得者
(自分で確定申告が必要)
源泉所得税の取扱い支払う際に、給与に係る
源泉所得税の天引きが必要
源泉所得税の天引き不要
但し、(※)
消費税法上の取扱い仕入税額控除の対象にならない
(給与は不課税取引)
原則(通常)課税の場合
仕入税額控除の対象となる

(※)所得税法第204条第1項に該当する報酬・料金等については、源泉徴収が必要



昔と異なり、色々な働き方の態様が現れ、
給与と外注について明確に線引きをすることが難しくなってきました

● 日本IBM 幹部社員に有期雇用制 準業務委任契約の導入(16年1月5日 日経)

(※)尚、給与所得者とは、給与の形態(月給・日給・時給・出来高給など)や身分(社員・
パート・バイト・フリーター等)とは関係なく、下記の判定から給与となる者を言います。



◆ 税務における、< 給与 > と < 外注 > の違い 及び 区分は?


◎ 消費税における取扱いは、雇用契約 又は これに準ずる契約に基づく対価であるかどうかで判定
され、その区分が明らかでないときは、下記のような項目を総合的に勘案し、実質で判断されます

(消基通11-1-1)
 
判 定 項 目 (例)

給与

外注
請求書がきているか?ある 
ない 
作業道具を供与されるか?される 
されない 
会社以外の仕事をしているか?
会社以外の仕事をする場合、会社の承諾が必要か?
してない
必要
 
している
不要
 
使用人を有しているか?あり 
有しない 
材料を提供している(材料持ち)か? 提供 
提供ない 
契約書があり、その内容が他人の代替がきくものか?きく 
きかない 
個々の作業に対し、指揮監督を受けるか?受ける 
受けない 
勤務時間(日数)が管理され、手当の増減があるか?ある 
ない 
昇給・賞与等、他の使用人と同様の取り扱いか?同様 
そうでない 
10不可抗力で完成品が滅失した場合、報酬請求が可能か?可能 
できない 

  • 外交員・集金人等に支払う報酬については、所得税法28条に規定される給与所得に
    該当する部分については、不課税仕入
    になります (消基通11-2-5)

  • 大工・左官・とび職等の報酬について (個別通達の廃止→)




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    給与か外注かは、建築関係・工事関係等でよく争点となる問題ですが、客観的に他の使用人と比べてみて、
    どうかという点で考慮すべきです。 税金がどうのこうのという主観で考える問題ではありません。




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