◎ 旅費等 (非課税所得) と
 消費税の課税仕入れとの関係



通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲のもの



◎ 所得税においては、給与として課税対象になるのかどうかが関心事で、
 消費税においては、課税仕入に該当するのかどうかが問題点となります




◆ 所得税法における <非課税規定>


● 通常必要であると認められるもの (部分) の金額
(非課税になるのかどうか)


所得税法
(第9条@四)

旅費等
  • 勤務する場所を離れてその職務を遂行するための旅行

  • 転任に伴う転居のための旅行

  • 就職 又は 退職をした者 若しくは 死亡による退職をした者
      の遺族
    がこれらに伴う転居のための旅行

    → 通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲
  •  
    所得税法
    (第9条@五)

    通勤交通費
  • 通勤する者がその通勤に必要な交通機関の利用 又は
      交通用具の使用のために支出する費用に充てるもの
      として通常の給与に加算して受ける通勤手当のうち・・・・

            → 「非課税限度額」 あり
  • 所得税法
    (第9条@六)

    現物給与
  • 使用者から受ける金銭以外の物 (経済的利益を含む)
      その職務の性質上欠くことのできないもので所定のもの

       → 政令で非課税となる範囲が細かく規定されている



  • ◆ 消費税における <課税仕入れの範囲の規定>


    ● 通常必要であると認められるもの (部分) の金額
    (課税仕入れになるのかどうか)


    消費税法
    (基通11-2-1)

    出張旅費・
    宿泊費・日当等
  • 事業者がその使用人等 又は その退職者等に支給する
      出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について
      通常必要であると認められる部分の金額 (※) は、

      課税仕入れに係る支払対価に該当する

      → 海外出張の為に支給する旅費、宿泊費 及び 日当は、
    課税仕入れに該当しない
  •  
    消費税法
    (基通11-2-2)

    通勤手当
  • 通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、
      課税仕入れに係る支払対価に該当する

          → 所得税法の非課税限度額に関係なし
  • 消費税法
    (基通11-2-3)

    現物給付する
    資産の取得
  • その取得が事業としての資産の譲受けであるかどうかで判定

        → その給付が所得税の給与課税対象になるか
    どうかは関係なし

  • (※) 旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、所基通9-3の例により判定し、
      その範囲の金額を超える場合には、課税仕入に該当しない所得税でも課税対象
    ( 通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲)




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    所得税法の規定は、その支出が通常必要と認められる部分(範囲)を超える場合には、
    その受けた経済的利益に対し給与課税をする為に設けられており、
    消費税法では、一部所得税法に委ねている部分を除き、事業者の支出の内容に焦点を合わせています。




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    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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