◎ 金庫株 (自己株式取得) の解禁



自己株式の取得・保有が、原則 自由となりました



● 企業にとって自社の株式は 「自己株式」 といいますが、企業が発行済の自己株式を買い入れ、これを自社で保有する場合、その保有する株式を 「金庫株」 とよびます。
 この制度により、後継者は自社株を会社に売却して納税資金を作ることが可能になりました。


(T) 自己株式の取得は、原則 自由となりましたが、次の2つの条件(規制及び手続き)があります。

◎ 取得限度額 及び 株主総会決議
規制及び手続商 法 改 正 後 (平成13年) → 会社法 (→)平成18年
取得財源の
規制
  • 配当可能利益の範囲内(商法210条3項)
     (同じ株主総会で、法定準備金・資本金の減少を決議し、
     それにより増加する配当可能利益の額を含めることができる)
  • 株主総会の
    決議
  • 定時株主総会の決議を要する(商法210条1項)
  • 譲渡制限のある非公開会社は、特別決議が必要(商法210条5項)


  • (U) 非公開会社が、特定の株主から自己株式を買い受ける場合 ⇒ ”株主総会の特別決議”

    <平成15年9月商法改正> (上場会社 : 機動的な自社株買い)(→)


    (V) 税務上の取扱い (自己株式の買取りに応じた株主に対する課税)

    (1)売却した株主(個人株主・法人株主)

    (@)売却価額のうち、資本金・資本積立金
    に対応する部分を越える金額
    みなし配当(配当所得)
    <20%源泉徴収>
  • 個人:総合課税
  • 法人:益金不算入の適用有

  • (A)売却価額のうち、資本金・資本積立金
    と取得価額との差額
    譲渡損益(譲渡所得)
  • 個人:申告分離課税26%
  • 法人:通常の法人税課税

  • 売却株主
    (2)売却しなかった株主 →   課税関係なし


    (W) 発行法人の税務上の取扱い

    (1)法人が自己株式を取得した時の会計処理;
    売却株主に交付した
    金銭等の金額
    自己株式に対応する
    資本等の金額
    利益積立金の減少

    (2)法人が自己株式を処分したことによる譲渡益・譲渡損;
    資本積立金の増加・減少とする。


    (X) 自己株式の貸借対照表の表示 (自己株式の取得は ”資本等取引”

    資本の部にマイナス項目として記載(商法施行規則第64条4項)


    ◎ 改正商法を折り込んだ< 資本の部の表示方法 >
     (平成14年4月1日以降開始する事業年度から)
    新(商法)旧(商法)
    T.資本金
    U.資本剰余金
       資本準備金
    V.利益剰余金
       利益準備金
       任意積立金
       当期未処分利益
       (当期利益)
    W.土地再評価差額金
    X.株式等評価差額金
    Y.自己株式
    T.資本金
    U.法定準備金
       資本準備金
       利益準備金
    V.剰余金
       任意積立金
       当期未処分利益
       (当期利益)
    W.評価差額金
    X.自己株式

  • 配当可能利益=純資産価額−(資本金+法定準備金+繰延資産が法定準備金を超える額+時価評価含み益)

  • <◎ 会社法による表示は?(→)>


    (Y) 上記は、有限会社 にも準用されます。




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    商法改正で、自己株式の取得・保有が配当可能利益の範囲内で原則 自由となりました。相続税の納税
    資金対策 や 株式が分散している会社などの事業承継対策として、この金庫株の活用が有効です。




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    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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