◎ 相続財産を売却した場合の譲渡所得の特例
譲渡所得の取得費 に 加算される 相続税額とは?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ |
相続や遺贈により取得した財産を、相続の開始があった日の翌日から その相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年以内に売却した場合には、
売却した人の相続税額のうち 一定の方法により計算した金額を、
売却した資産の譲渡所得の計算上控除する取得費に加算することができます |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ |
(1) 売却した資産が土地等(土地や借地権など)である場合 |
⇒ 売却した人の相続税額のうち、その人が相続等により取得したすべて の土地等(※1)に対応する金額 (→ 平成26年度税制改正) |
譲渡者の 納付する 相続税額 | × | 相続により取得した土地等 (※1) に係る評価額の合計額 |
譲渡者が取得した財産の評価額の合計額 (※2) |
◆ (※2) 債務控除前 ・ 生前贈与加算後 |
相続開始前3年内の贈与財産で相続税の課税価格に加算されたもの及び相続時清算課税の適用を受けた財産を譲渡した場合にも、この特例の適用有り |
(2) 売却した資産が(1)の土地等以外の資産である場合 |
⇒ 売却した人の相続税額のうち、その売却した資産に対応する金額 |
譲渡者の 納付する 相続税額 | × | 譲渡した相続財産の相続税評価額 |
譲渡者が取得した財産の評価額の合計額 |
● 相続財産を物納した場合 (相続税額を超える価額の財産により物納した場合の還付額を除く) には、譲渡所得税は課税されない |
● 計算式中の相続税額は、贈与税額控除 又は 相次相続控除が行われている場合には、それらがなかったものとして計算した相続税額となります |
☆ (平成19年4月1日以後の修正申告等から) この特例の適用を受けた者が、 相続税に係る更正の請求の特則により相続税額が減少した場合において → 所得税の修正申告書を提出したこと 又は 更正があったことにより
→ 【納付すべき所得税の額に係る延滞税の計算について】 所得税の法定納期限の翌日からその提出等の日までの期間は 延滞税の計算の基礎となる期間に算入しない (措法39C) |
※※ この特例(措法39条)は、その相続 又は 遺贈につき相続税額がある者とされ、 譲渡後のお金の使途 (どう使おうが) には制約されません ※※ |
《 設 例 》 |
(1)譲渡者の相続税額・・・・・・・・・・・・・・・1050万円
(2)譲渡者の相続税の課税価格(債務控除前)・・1億5000万円
(内訳)A土地・・・・・・3000万円
B土地・・・・・・7000万円
ゴルフ会員権・・・3000万円
その他の財産・・・2000万円 |
★取得費に加算される額(取得費加算額)の計算★ |
(相続税額) 1050万円 | × | (すべての土地等の価額) 3000万円+7000万円 | = | 700万円 |
1億5000万円 (相続税の課税価格) |
(注)A土地のみ 又は B土地のみの売却であっても同額となります。 |
(U) 3年以内に <ゴルフ会員権> を売却した場合 |
★取得費に加算される額(取得費加算額)の計算★ |
1050万円 | × | 3000万円 | = | 210万円 |
1億5000万円 |
● 措置法39条 (相続税額の取得費加算) の適用において、誤りの多い事項 |
≪換価分割に戻る≫ ≪相続発生後の土地評価に戻る≫
≪土地・建物の譲渡に戻る≫ | ≪(企業)事業承継に戻る≫ | ≪相続開始後の流れに戻る≫ |
この規定は、相続(遺贈)により取得した財産を、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した
場合の、”譲渡所得についての税負担の軽減規定”です。 相続税の納税の為にもよく使われます。
mail: hy1950@manekineko.ne.jp
tel: 06-6681-2144 税理士 服部行男
http: //www.manekineko.ne.jp/hy1950/