◎ 遺産分割の注意点 (方法)



遺産が分割されないと、税務上 不利な扱いを受けます



遺 産 分 割 と は?


人が死亡 ⇒ その人が所有していた財産 (債務を含む) は、相続人全員の共有財産となる



  • 遺 産 分 割
  •  この財産を、相続人の間で具体的に配分 (決定) すること
    民法909条 : 遺産分割は、相続開始 (死亡) のときから効力を生じる。 ただし、
              第三者の権利を害することはできない (遡及効) 実務では
    民法900条 : 民法では、相続人ごとの配分割合 法定相続分 を規定
    民法907条 : 遺産分割は相続人全員の話し合いで、自由に決めることができる


    遺言書があっても、相続人全員(受遺者を含む)の合意があれば、遺言と異なる
    遺産分割も可能です (遺言書の一部を使用し、他は分割協議も可)


  • 分 割 の 手 続 き
  • 相続人間の協議
    不成立の場合
    家庭裁判所の調停
    調停不成立
    審判の申し立て
    審判 (家裁)



    遺産の分割方法には?


    《 一般的には、相続財産の分割には 次の方法があります。》
    項  目内         容
    現物分割 最も一般的な方法で、相続人ごとに、財産を具体的に分割する方法
    換価分割 相続財産の全部又は、一部を換金して分割する方法
    代償分割 特定の相続財産を取得した相続人が、他の相続人に金銭を支払う方法
    代物分割   ”     ”       他の相続人にで支払う方法
    共有分割 現物分割の一種で、複数の相続人が共有して取得する分割方法

    不動産の兄弟間での共有は、将来もめるもと・・・・お勧めできません



    遺産分割の民法上の注意点

    【 優 先 順 位 】
    (1)遺産分割は、遺言による相続分(指定相続分)が法定相続分に優先する。
    但し、遺留分には従わなければならない。
    【 分割の手続き 】
    (2)遺産分割は、各相続人がそれぞれの年齢・職業・生活の状況その他一切の事情を考慮して、協議して行うことができるが、次のことに注意する必要がある

    項  目内         容
  • 特別受益分
    (民法903条)
  • 被相続人から財産の遺贈があったなど (※) 特別受益者の
    相続分で、その分を差引いた残りをその者の相続分とする
    (特別受益額を持ち戻し計算する)
  • 寄与(相続)分
    (民法904条の2)
  • 被相続人の事業への貢献や療養看護等によって、相続財産
    の維持・増加に寄与した場合に、共同相続人の協議等で認
    められた割り増しの相続分 (寄与分を上乗せする)



    遺産分割の税務上の注意点

    ◆ 税務上、未分割の場合には不利な取り扱いを受けるもの
    (1)配偶者の税額軽減が受けられない(相法19条の2)
    3年以内に分割された場合 (更正の請求 →)
    (2)小規模宅地の評価減の特例が受けられない(措法69条の4)
    3年以内に分割された場合等 (事例 →)
    (3)宅地の評価額が下がりにくい (→ 分割方法による対策)
    (4)期限内分割でないと、「相続税の納税猶予」 が受けられない
       (「延納」 や 「物納」、農地等の納税猶予 等)


    ◎ 遺産分割を工夫することで、相続税等を少なくできる・・・・? (→)



    遺産分割の 無効 ・ 取消し ・ 解除

    項   目内       容税務上の効果
    無  効
    (民法95条)
    一部の共同相続人のみでの分割や錯誤(要素
    の錯誤)は無効
    遺産分割のやり直し⇒・贈与税の課税なし
    取 消 し
    (民法96条)
    詐欺や脅迫による遺産分割は、取消しの原因
    となる
    取消し後の遺産分割⇒・贈与税の課税なし
    解  除遺産分割のやり直し(合意解除)は可能であるが、第3者の権利関係には対抗できない
    贈与税の課税関係が
    生ずる

    ◎ 遺産分割のやり直しは、現行の税務の扱いでは困難なことが多く、
    最初の遺産分割協議が大切です




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    相続人間の協議により、協議が調わない場合(未分割の場合)には、相続税法上 不利益な扱いを受けることとなります。それでなくても、普段から 親を敬い 離れていても 兄弟仲良く暮らしたいものです。



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    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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